八王子五行歌

八王子五行歌会ネット歌会那田尚史先生からメールを頂きました。

八王子五行歌会ネット歌会
                那田尚史
7月10日(日)
 八王子五行歌会はネットによる歌会の可能性を探る日本でも数少ない五行歌会である。早速レポートを書くことにする。
  始めて会ったときから 桜(一席) 
  引き寄せられてた
  振られても諦めないの
  平凡だった毎日が
  炎のように燃えだしてしまったから
 一見では「はひふへほ」の折句とは思えない自然な詠みで高く才能を評価されたが、歌会への手続きを拒み、五行歌を続ける情熱が無いと分かったため私の判断で脱会させることにした。残念なことである。
  水割りの 那田尚史(一席)
  氷を握る
  指先に
  炎のような
  君の口紅 
 これは近くのファミレスで一人で水割りを作っていた時に生まれた。後半は空想で氷と炎の対比を狙ったものである。
  冬の思い出は 中人(二席)
  満天の星
  キャンプファイヤーの
  炎にゆれる
  君の笑顔
 友人たちとのファイヤーの思い出を歌っただけのものです。懐かしく楽しかった炎の思い出です、と自作コメントにある。
  校庭で落ち葉焚きの日 せん(二席)
  泣かされて
  訳も忘れた今もなお
  寒い季節は揺れる炎に
  切ない気持ちが立ちのぼる 
 炎をみると常に何となく切なくなるので、その気持ちをよんでみました、とのこと。
 今回の問題歌は
  南無妙
  法蓮華経
  おばあちゃん
  曾孫さんがいっぱいいるよ
  よかったね よかったね (吉田進一)
 題詠からは遠い一見明るい歌のように見えるが、俳句も五行歌もベテランの作者が題詠を外す筈がないと思い再考すると、母親が荼毘に付されているイメージが湧いて来た。自作コメントにも火葬場で点火する残酷さが書かれており、鳥肌が立ったものである。これは再考、再再考して良さが分かる名歌だろう。
 以下は省略表記する。
心の闇にも/祭りの晩には/朱の炎/ 鬼の子三匹/ 舞い踊る (津希)
風が吹いた/昨日、あの時、あの場所/くやしいけれど/消せやしない/ この炎のような君への気持ち (じゅん)
飛行機の中/ 我に悔いは無し/古里を後にして/炎の如く/舞い上がる(軍属として満州に行った時の思い出です) (みつる)
吹き荒れる木枯らしの中/パチパチと燃える薪の炎に手をかざし/暖ったかいと感じる手のひらに/太陽を恋しがる/春が待ち遠しい季節だね (持国天)
別れの/ メール/ ジェラシーなのか/羅列の文字に/青い陽炎 (GENTA)
<参加者>桜、那田尚史、中人、せん、吉田進一、津希、じゅん、みつる、持国天、GENTA

今年(平成28年)1月9日に94歳のお袋が他界しました。

今回の問題歌は
 
  南無妙
  法蓮華経
  おばあちゃん
  曾孫さんがいっぱいいるよ
  よかったね よかったね (吉田進一)

 
 題詠からは遠い一見明るい歌のように見えるが、俳句も五行歌もベテランの作者が題詠を外す筈がないと思い再考すると、母親が荼毘に付されているイメージが湧いて来た。自作コメントにも火葬場で点火する残酷さが書かれており、鳥肌が立ったものである。これは再考、再再考して良さが分かる名歌だろう。
 

八王子五行歌会ネット歌会を主宰している那田尚史先生とは20歳時住んでいた早稲田鶴巻町の宮本下宿でご一緒させて頂きました。以来40年、還暦を過ぎましたのでひょっとしたら、・・子どもかえりしているのかもしれません。
今回のネット歌会の題詠は「炎」。今年亡くなったお袋の葬儀で喪主が斎苑での思いを五行歌にしました。五行歌ルールを知らない私はよく注意を受けますが、普段使っている言葉で作るように心掛けています。

投稿作品

吉田進一さま
 
現在10首集まって感想と得点の時間になっています。持ち点は1で7首まで選べます。なるべく感想を書いてください。
作品は以下の通りです。
 

?
君の
言葉のはしで
わが心
こおりゆく
思いのして

?
五行歌はやめた
と氷のように
固めた心の壁を
溶かしてしまった
Nさんの熱意

?
氷のように心を閉ざし
去る者追うなと
言ってはいるが
孫に似たれば
振り返る

?
太郎 次郎
夜色楼台図
ラッセルの
氷の汗の迫力は
ハンパないハンパない

?
知性と情熱
氷と火を
胸の奥深く
隠し持つ男は
今異国の地に眠る

?
缶ビール
麦とポップが
氷になって
胃に染み透る
夕立の夜

?
氷山消えて
海膨れ
国土を浸す
泣くな南の島人たちよ
世界は君を見捨てはしない

?
四ッ谷の店は夜の底
背広姿で駆け込む人を
待たず切子の空きグラス
残すあの日は花氷
若く冷たく愛しい昔

?
照りつける太陽を
かき氷真っ白な雪
レッド ブルー グリーン
ポップな幸せ
頬ばみみんな笑顔

?
太陽の陽だまりに
溶ける氷の心地よさ
キラキラと輝く
水の妖精たち
夏の海に飛び込め

平成28年11月5日の訃報を奥様よりご連絡を頂きました。


太郎 次郎    
夜色楼台図  
ラッセルの氷の汗の迫力は   
ハンパないハンパない   

親友 成川豊へ   

平成28年11月5日(土)